審査員の評価コメントや、受賞者の喜びの声は
以下のPDFよりご覧いただけます。
JA共済では、組合員およびその家族や地域住民の生命・財産を危険から守るための
保障活動・地域貢献活動に積極的に取り組み、しあわせの輪をひろげようと努力しています。
その一環として、共済事業の相互扶助・思いやりの精神を、次代をになう小・中学生に
伝えていくとともに、児童・生徒の書写・作文教育および図画工作・美術教育に貢献することを目的として、
小・中学生を対象とした「作品コンクール」を開催します。
なお、この「作品コンクール」は、令和5年度JA共済全国小・中学生書道コンクール
および交通安全ポスターコンクール出品のための地方コンクールも兼ねています。
参加校203校、総参加点数2,427点にもおよぶ作品が寄せられました。
その中より選ばれた各部門の入賞作品をご紹介します。
各部門の特選作品をご紹介します。
書道 条幅の部
特選
滝沢市立 鵜飼小学校 4年
柳谷 歩希 さん
審査講評
安定感のあるどっしりとした線の中に渇筆を出し、筆勢を感じさせる技巧は大変素晴らしいです。
書道 半紙の部
特選
岩手大学教育学部附属中学校 1年
渡辺 菜月 さん
審査講評
自信に満ちた滑らかで抑揚のある線質から、遅速緩急の軽快なリズムを感じ取ることが出来ます。
書道 半紙の部
特選
岩手大学教育学部附属中学校 1年
渡辺 菜月 さん
審査講評
自信に満ちた滑らかで抑揚のある線質から、遅速緩急の軽快なリズムを感じ取ることが出来ます。
絵画の部
特選
盛岡市立 見前小学校 4年
上森 心鈴 さん
審査講評
運動会での綱引きをがんばっている様子が、綱を引く人物の表情や姿勢、その手の力強さなどで表現されています。綱のあみ目の描き方も上手ですし応援する友だちを入れた全体の構図も安定していていいですね。
特選
盛岡市立 下橋中学校 3年
中島 優里 さん
審査講評
豊かで落ち着きを感じる色調と丁寧な筆づかいでまとめられた作品です。階段を上り見えてくる烏帽子岩を中心に置いて象徴的に描いていますが、建物の屋根や壁なども丁寧に描かれています。
交通安全ポスターの部
特選
奥州市立 前沢中学校 3年
鈴木 瑠月 さん
審査講評
歩行者が手を上げるだけでなく運転手も手で『どうぞ』と合図を出しているところがいいですね。『ハンドサイン』など文字の配置も効果的です。大切にしたいゆずり合いの心がよく考えられた画面構成によって表現されています。
作文の部
審査講評
大すきだった「ばあーさん」だったのですね。大杜さんの素直な問いかけへの「ばあーさん」のかっこいい返しの言葉が印象的です。「ばあーさん」との微笑ましいエピソードから、「ばあーさん」を思う大杜さんの優しさがとてもよく伝わってきます。
特選
盛岡市立 向中野小 1年
菊池 大杜 さん
『ばあーさん』
審査講評
大すきだった「ばあーさん」だったのですね。大杜さんの素直な問いかけへの「ばあーさん」のかっこいい返しの言葉が印象的です。「ばあーさん」との微笑ましいエピソードから、「ばあーさん」を思う大杜さんの優しさがとてもよく伝わってきます。
審査講評
持続可能な社会とは何か」という問いに対して、様々な学習を通じて多様な視点から考え、自分なりの答えを広げたり深めたりしていく様子が伝わってきます。「知る」ことの意義と重要性に気付いた凜歩さんの強い決意が伝わってきます。
特選
岩手大学教育学部附属中 3年
佐藤 凜歩 さん
『将来のために「知る」』
審査講評
持続可能な社会とは何か」という問いに対して、様々な学習を通じて多様な視点から考え、自分なりの答えを広げたり深めたりしていく様子が伝わってきます。「知る」ことの意義と重要性に気付いた凜歩さんの強い決意が伝わってきます。
優秀学校賞 各部門ごとに、
優秀な成績をあげた
学校に対して授与します。
(書道は条幅・半紙を区分しない)
書道
部門
滝沢市立
鵜飼小学校
絵画
部門
盛岡市立
下橋中学校
交通安全ポスター
部門
北上市立
江釣子小学校
作文
部門
岩手県立一関第一高等学校
附属中学校
小岩 和彦元岩手大学教職
大学院特命教授
後澤 大世岩手県教育委員会事務局
学校教育室 主任指導主事
今年も県内の多くの学校から、素晴らしい作品が寄せられました。どの学年の作品も、自分が体験したことや学習したことを通して味わった感動や達成感、気持ちの変容や新たに生まれたものの見方や考え方などについて、生き生きと文章に表現していました。それぞれの作品に綴られている言葉には、子供たちの豊かで鋭い感性、そして純粋な思いや優しさが込められていました。どれも心温まる希望に満ちあふれた素敵な作品でした。
今年の作文の課題は、小学校低学年は「大すきなこと」、中学年は「今もつづけてがんばっていること」、高学年は「私が大事にしている言葉」、中学校は「持続可能な社会に向けて取り組みたいこと」でした。
小学校低学年の作品は、自分が夢中になったり大事にしたりしていることを取り上げて、具体的な体験やエピソード、自分の素直な気持ちや思いなどについて伸び伸びと表現していました。
中学年の作品は、学習や習い事、スポーツ、趣味など自分が継続して頑張っていることを取り上げ、努力する過程を通して生み出された思いや気持ちの変容に触れながら、努力を積み重ねることの意義や喜びを豊かに描いていました。
また、高学年の作品は、自分が大事にしている言葉や先人の格言などを取り上げて、これまでの経験や体験などと結び付けながら、大事にしている言葉の意義を改めて見いだし、これからの自分自身の夢や決意について述べてていました。
中学生の作品は、環境問題や貧困、平和やジェンダー平等などのSDGsに関わるテーマを取り上げ、学習などで得た知識やこれまでの様々な経験と結び付けながら、持続可能な社会を実現するために自分にできることは何かについて、自分の考えを率直に述べていました。
現在の社会はVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代だと言われています。このVUCAの時代において、文化や言語、価値観の壁を越えて様々な人々と関わり合いながら共に課題を解決していくための、多様性と包摂性のある共生社会の実現が一層重要になってきます。そのような中、温かな言葉の交流を通じて多様な価値観に触れ、互いの心をつないでいくことは、私たちにとってますますかけがえのないものになっていきます。
今回の入賞作品も、多くの人に感動を与える優れた作品の数々でした。これらの作品に込められた子供たちの多様な考えや思いに触れることにより、助け合うことや認め合うことの大切さ、そしてかけがえのない命について思いを温めていくのではないでしょうか。
これからも多くの皆さんに、このコンクールに積極的に挑戦していっていただきたいと思います。来年度も素晴らしい作品に出会えることを心から楽しみにしています。
八木橋 哲男岩手書道協会
参与
連日のようにテレビや新聞で報じられる新型コロナウイルス感染者数に、一喜一憂しながらも常に感染の不安を抱いて毎日を過ごされていることと思います。
そんな状況の中にあって、このコンクールに向けての取り組みも思うように出来なかったのではないかと心配をしておりました。しかし、出品数は平年並みであったことに、心配は取り越し苦労であったことを感じました。そして、入賞した作品からは、コロナへの感染防止に向けて人との接触を避け、黙々と練習に取り組まれたことを強く感じました。改めて日頃の練習が功を奏して入賞の栄に浴された皆さん「本当におめでとうございます」。
私が中学校に勤務していた25年ほど前、地域の70歳代の民生委員の方とお話をした際、その方から「文化は西からだよ」と言われたことが今も私の頭から離れません。その言葉を裏附けるようにこのコンクールへの出品数も、毎年関西地区の方が圧倒的に高く、多くの人達が切磋琢磨している事が伺われます。地区の方々の文化への関心が高いのか、或いは児童生徒数が多いのかよくわかりませんが、出品数に大きな差があることは確かです。
ところで、このコンクールの書道部門は半紙部門と条幅部門があります。半紙部門の作品は、日頃学校で使う筆で書いてよいのですが、条幅部門の作品の中に明らかに半紙用の筆で書いたと思われる作品がありました。やはり大きい用紙には大きい筆で書いてほしいものです。
又、今回びっくりしたことは、条幅の用紙(画箋紙)に縦に鉛筆で中心線が書かれていた作品があったことです。条幅作品は課題が一行ですから文字の中心を揃えることが大切ですが、用紙を折って(谷折りではなく山折りで)書くとか、線の引かれた下敷きを準備して欲しかったと思います。コンクールの出品作品に鉛筆で中心線を引くようなことはあってはならないことです。線が引かれた半紙用の下敷きと同じく条幅用の下敷きにも線が引かれたものがありますのでそれを準備されては如何でしょうか。
更に、折角の努力が報われない審査対象外の作品が、全体の3%もあったことに私は心を痛めました。これらのことは、指導者の注意で防ぐことが出来ますので、出品する祭には一寸心配りをして欲しいものです。
結びになりますが、今年もコンクールへの出品の労をおとり戴いた各学校の先生や指導者の方々に、書に取り組んできた者の一人として衷心より敬意を表します。これからも日本人として日本の文字を正しく、整えて書く習慣を身につけさせるべく頑張って欲しいと願うばかりです。
小松 太元岩手県小学校教育研究会
図画工作部会 会長
今年度応募されたポスターは、小学生でも文字のデザイン(レタリング)を意識している作品が多かったです。内容的には、手を上げて横断歩道を渡ること、自転車や自動車のながら運転、ながら歩行に対する注意喚起が多かったです。
課題としては、自動車の描き方で、ナンバープレートに数字を入れてしまったりシートベルトの描き間違いや描き忘れがあったりして審査の対象外になってしまった作品があったことが残念でした。信号機の色の配置(並び順)の間違いは少なくなっていますので、ナンバープレートやシートベルトについても注意して描き間違いのないようにしてほしいです。
絵画の部、小学生の作品には「好きな動物の絵」が多かったです。身近にいるペットだけでなく動物園で見られるような対象を描いている作品もありました。学校の授業では見て描く絵が少なくなっていますが、好きな物や描きたい対象をじっくりと見て描くことによって、その形や色を再発見することが多かったのではないでしょうか。この体験はとても貴重なものです。たとえそれが、写真などを見て描く場合であっても、描きたいものが目の前にあることの安心感を持ちながら作品作りに励んだことでしょう。ここはこんな形だったのかとかという発見や、この色は何色と何色を混ぜたらいいのかという工夫をしながら描くことでより深く対象を理解することができたのではないでしょうか。
中学生の絵は風景がテーマです。どのようなイメージを風景の中に込めたのかを感じ取ることが審査のポイントになりました。描きたいと思ったことを、どう伝えようとしたのか、それを、画面の中の色と形から感じ取る作業です。制作する皆さんにとっては、何よりも伝えたいという強い思いがあるかどうかが大切なことで、その思いを伝えるために、自分なりにどんな工夫をして制作していくかが大事なことです。伝えたい思いは、はじめから強くはっきりしたものではないかもしれませんが、描いているうちに思いも明確になってきますし、その思いを表現するための技術も上達していきます。小・中学生の皆さんは、はじめのうちは技術的なことを恐れないで、楽しく、思いをもって描くことを大切にしながら、これからも作品作りに励んでください。